私の生家には離れがありました。母屋が狭かったので、夕食を終えると、私はカバンを下げて離れに行っていました。離れといっても庭続きではなく、道路をグルッと回っていたところにあり、二○○メートルほどの距離がありました。そこは元は工場だった建物で、一階は工場の跡です。そこを通り抜け、階段で二階にあがり、部屋に入るのですが、部屋の裸電球を点けると、大きなクモがサッと走ったりするので、ずいぶん怖かったのを覚えています。
「人を愛し、人を生かし、人を許せ」より 阿波川島駅御生家 a:1168 t:1 y:1;
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